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鈴江俊郎 戯曲

ぶどうを そだてる

ぶどう園はまもなく閉園される。女性4人でたちあげたのに、二人が抜けるなどして、営農ができなくなった。

30歳前にして非正規雇用、貧困女子まっしぐらだった四人が逆転を志して始めた農園は8年で終わる。

売買契約も終わり、人手に渡る。

不登校の子を育てる不安。シングルマザーの不安。女性を愛する性愛を持つ不安。一人一人の不安を支えあっていた場所が、失われる。

女性たちが経済社会の中で男性に伍して生きていくのは厳しい。

なめられ、値切られ、グローバリゼーションの波は容赦なく襲いかかるのだ。

最後の日に救いはやってくるのか?

 

80分

4人(女4人)

2021年10月

イタリア・ジェノヴァ国立劇場にて2021/2022シーズンのオープニング企画

 G8Projectとしてイタリア語に翻訳されてイタリア人女優たちによって上演。

 イタリア語題『ブドウ園il-vigneto』。

 この戯曲はその原言語バージョン。

――ジェノヴァ国立劇場の2021/2022シーズンのオープニング企画は、

イタリアの歴史の非常に暗い側面に焦点を当てようとしているものでした。

2001年にジェノヴァで開催されたG8サミットの際に、世界中からサミットに反対する30万人の人たちが集まりました。

平和的なデモ、抗議運動を行ったところ、イタリア警備当局が過酷な鎮圧を行いました。

若者が一人亡くなりました。

「暴動」とマスメディアは報道しましたが、その後警察幹部が鎮圧の行動は誤りだったということで処分も受けています。

その20周年の年、国立劇場では、当時ジェノヴァで起こった出来事に関連する一時間ほどの上演を集中させたい、

と企画を立てました。

G 8グループ各国から一人ずつ劇作家に依頼しました。

フランス、ドイツ、イタリア、アメリカ、日本、イギリス、カナダ、ロシア。

その日本からの作品提供がこの作品です。――

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