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鈴江俊郎 戯曲

堕ちた父さん

 

十九年ぶりの再会。野球部の先輩だった男が夜中に訪ねてきたのだ。

すでにOBたちの間では噂になっていた。夜逃げだ。

経営していた店が倒産、詐欺事件を引き起こして行方をくらませた挙句の逃避行。

借金の申し込みではない。最後にひとめ会いに来たという様子なのだ。

 

慌てて人目につかない山中に連れ出した車。そこはどことも知れない林。

中年男二人の会話は切羽詰まった現在から離れ、遠い過去へ、遠い未来にむかうのだけれど、

いやあなたに未来なんてあったっけ?

そして私たちにも。


2016年4月 執筆/未上演
30分
2人(男2・女0)

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