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鈴江俊郎 戯曲

数式でせつめいする希望

 

海のそばのオシャレな宿。

50歳の男と22歳も年下の女が、婚前旅行の夜だ。

男は2歳のこどもを残して妻に先立たれて3年。

小さい子には母が必要だと思って婚活を始めたが、その女が最も積極的だったのだ。

この歳ではほかに交際してくれる女性も現れそうにない。けれどこの女でいいのか?と迷っている。

半年は旅をしていたいと主張したり、絵を描いて生きていくと主張したりする不思議な女なのだ。

男が不安になると妻の幽霊はふわりとあらわれて力のない会話をくりかえす。

男は女が憲法改悪に反対するなら結婚に踏み切ろう、と妙な、しかし彼なりには切実な基準を決めた。

憲法改悪はいかに改悪か、が語られ始める。

それにしても千々に乱れる迷いは果てもない。



2019年2月 上品芸術演劇団 公演
70分
3人(男1・女2)

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