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鈴江俊郎 戯曲

川底にはみどりの魚がいる


近未来。
戦争が始まっている。
中島のもとに召集礼状が届いた。
昔反体制活動家だった彼が生きては帰れない激戦の最前線に送られるのは確実だ。
恋人が籍だけでも入れてくれと駄々をこねている。
自分の死後の不幸を思うと受け入れられない中島。
女心をくんでやれと説得に来る現役活動家の島之内だって実のところ中島の死を悲しむ女性の一人だ。
死出の旅立ちを直前に控えた数日間は幸せの気配すら漂う穏やかな日々だ。
恋人たちが淋しく眺める川の流れ。
その川底には目の覚めるような緑色の魚がいた、ような気がした。
神様が見せてくれた奇跡だったのかもしれない。

1998年6月 劇団八時半公演
90分
3人(男1・女2)


…LEAF7号掲載

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