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鈴江俊郎 戯曲

久保君をのぞくすべてのすみっこ

 

女性漫画家のアトリエ。
若いアシスタントたちは日々忙しく原稿を埋めている。
彼女たちは運動不足。睡眠不足。お菓子を食べる。太る。長時間労働で、男と会う時間がない。
漫画家は二本連載が平行している状態で手いっぱいなのに、さらに三本目の依頼まで引き受けようとしている。
引き受けないと不安に駆られる悲しい状態に陥っているのだ。
「久保君」のために彼女たちは描いている。
「久保君」はそこにはいない架空の読者であり、架空の親友であり、架空の神様なのかもしれない。
彼女たちはそれでも描き続けるのだろうか。
描くことは希望であり、描くことは祈りに近い行為だったはずなのに……

2003年11月 劇団八時半公演
80分
7人(男1・女6)

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