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鈴江俊郎 戯曲

くもりぞら

 

ランドセルがころがる畳の部屋。葬儀屋がオニギリをつまみ食いしている。
幼い女の子まゆが死んだのだ。
その葬式の翌日だ。
母違いの兄二人、姉一人が自分の住所に旅立つ直前、

幼いまま死んでしまったまゆはなにか楽しいことがあったんだろうか、と語ることもなく思いあっている。
まゆが三番目の母に連れられてやってきた薄曇りの空を思い出す。
今日も薄曇りだ。
まゆのことをたっぷり思い出して送ってやろうと兄姉はまた語らずに祈った。
まゆは見届けて家を去る。
語らない。
曇り空もなにも語らない。

1995年5月 芸術祭典京公演
20分
6人(男4・女2)

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