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鈴江俊郎 戯曲
レモンに似た風景
急病にかかり、死期の迫った夫を見守る妻。
ラグビー選手としてもう一回グランドに立ちたいとかなわない願いを持ちながら床についている夫。
見守る妻は自分が悲しんでいないことに戸惑う。
どうして悲しくないのだろう。
スポーツ写真家としてグランドで選手の熱い息を追う妻。
夫への愛が冷めているためなのか、
生きている実感そのものが薄くなっているせいなのか、
不安と闘う。
夫が愛したレモンにいらだつ。
最期の日、妻はかすかに回復したのかもしれない。
「いなくなってさみしいよ」
八百屋の店先のレモンにつぶやいてみた。
八百屋のおじさんは驚いてた。
1996年10月 NHK-FMシアターラジオドラマ
55分
6人(男5・女1)
…LEAF5号掲載
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