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鈴江俊郎 戯曲

緑の風にチュウしたい

 

憧れの彼氏と結婚を間近に控えた美樹の心は晴れない。
マリッジブルーと言えばそれまでかもしれないが、
仕事人間の父の横で人生を送って若くして死んだ母のことが幸せそうだったとは思えないのだ。
今さらのように父に対して沸き上がる憎しみ。
妹は妹で美樹に嫉妬する。
父の心が全て美樹に向かっているのがわかるからだ。
父の当たり前の愛。
妹の当たり前の思い。
ひとり取り残された気分の美樹は式の当日、思いがけなく泣かされた。
父の演説は見事で、人生の退屈もいいものかもしれない、そう思えた。
緑の風は皆に吹く。
風にチュウしたい。
そう思えた自分が嬉しい。

1999年4月「緑の風にチュウしたい」NHK-FMシアターラジオドラマ
55分
5人(男2・女3) 

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