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鈴江俊郎 戯曲
なすの庭に、夏。
夏。蝉の声がうるさいほどだ。庭に大きな木が一本。
老女がその下でうたた寝をしている。
彼女が孫娘にも語って聞かせようとしない心の慰めは、遠い戦争中の記憶だった。
少女だった昔、彼女はお屋敷の女中をしていた。
そして、悲しい恋をして……
1987年6月 関西芸術座公演第2回OMS戯曲賞大賞
90分
15人(男8・女7)あるいは(男7・女8)
…戯曲集「靴のかかとの月」(而立書房)掲載
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