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鈴江俊郎 戯曲
お月さまのために
中道はゆみという恋人がいながら新たに女性とつきあってしまった。
反省した中道はその女性と別れ、
一人自転車で旅に出て頭を冷やそうと意気込んだら旅先で悲しくなってしまった。
辛抱できなくなって帰ってきてしまった。
どうしてだろう、ふってしまった女性ばかり思い出す。
友達の下宿に転がり込んで泣く。
一方ゆみは姉にマンションに転がり込まれて困っている。
OLの姉は退職してオーストラリアに行く、と言って両親とケンカしてきたのだ。
彼氏から求婚されたのに喜べない自分を持て余した揚げ句の奇行だ。
姉の所属する「イメージで飛ぼうバンジージャンプの会」も押しかけてくる。
若者たちは大変だ。
皆が月を見上げてハッピーな日の来ることを祈っている。
お月さまは眺めているばかりなのに。
1996年8月C.T.T.公演
80分
10人(男4・女6)
…戯曲集「はたらく、風」(八時半通信編集部)掲載
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