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鈴江俊郎 戯曲

石鹸心中

 

病院の入院患者がくつろぐロビー。こぎれいに手入れされた中庭が見える。 
閉鎖された空間、一見快適な空間、けれど簡単には抜け出すことのできない空間。 
宇宙の遠い星と交信している、と言いはる少女が入院している。 
彼女にはもうすぐその星からお迎えが来るというのだ。 
見舞いに来る弟と別れるのがつらくて、彼女は泣いている。 
弟は途方にくれて…… 
何人かの患者、看護師たちは視界の真ん中に雲のようなものが現れ、見えにくい日も増えてきた。 
この不安な世界の終わりを恐怖する漠然とした気分が、皆から視力を奪うのかもしれない。 
世界は終わるのだろうか。 
宇宙からお迎えは来るのだろうか。 
ちょっと歪んだ気配が支配する人間関係が深刻すぎて笑えるほどだ。 

2004年11月,2005年1月,6月 劇団八時半公演
80分
6人(男2・女4) 

 

○東京・大阪公演では4場構成、登場人物「草笛 きく」は饒舌なホステス、という設定で上演。 
○愛知公演では5場構成、登場人物「草笛 理子」は口をきかない女子高校生、という設定で上演しました。 

 

※ご注文の際はご希望の草笛役を明記してください。

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