鈴江俊郎 戯曲

そこにあるということ

 

中山は二十八才。
同時に三人の女性を妊娠させてしまった。
女たちは中山の部屋に押し掛け、詰め寄る。
三人三様の孤独がいとおしかった、としか言いようがない。
うまく説明できない中山。
食堂で焼きナス定食を楽しみにしていると、突然泣けてきて困ることがある。
楽しみにしている自分のことを見ちゃったんだ。
見ちゃったらお終いのような気がするんだ。
そこにはなにもないんだきっと。
呟くばかりの中山を女たちは見捨てられるのか。女たちもまた呟くのだろう。
そこにはなにもない、と。 

1996年2月 劇団八時半公演

KYOTO演劇フェスティバル大賞受賞
60分
6人(男1・女5)


…LEAF2号掲載

 

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