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鈴江俊郎 戯曲

素足の日記

 

父母の不仲にいまだに子供のように心痛める兄が妹・忍のマンションに泣きに来る。
兄は女遊びの激しい父を嫌悪しながらも自分も淋しさのあまり同じようなだらしない行動を繰り返している、困った男なのだ。
複雑な状況に立ち往生してしている兄。
その心をくみとってしまう心優しい忍に甘えているのだ。
忍に甘えに来るのは兄だけではない。
人付き合いが下手で会社を退職しようとする同僚の女、
それを踏みとどまらせようと女性の自立を説く先輩女性社員、
忍を大切にしようとするあまり手も触れようとしない恋人。
満たされない心の行き場を求めて、人は素足になって散歩してみたりする。
素足に感じる世界の感触は時々痛すぎるけれど、
希望はかすかにそこにある気がするのだ。

2000年10月 劇団八時半公演
90分
5人(男2・女3)


…LEAF11号掲載

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