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鈴江俊郎 戯曲

うれしい朝を木の下で

 

過疎の村に移住してきた都会育ちの若い男女。
会社勤めの退屈と不合理に安易に反発しただけの男なのに、

由美は勘違いして追っかけてきてしまったのだ。
どこにいても自分が自分でいられると感じられずに苦しんでいた由美。
目の前で鮮やかに退職してみせた男を同じ心の傾きの持ち主だと勘違いしたのだ。
けれどここでも挫折したらいよいよ行き場がない、と由美は自分を追い詰める。
由美は頼りない男の農業経営を支えきれないでいる。
苦しい暮らしにつけこんで肉体を弄ぼうとする地元の郵便局長。
その苦しい暮らしを見舞いに来たまま都会に帰ろうとしない姉。
一人一人がうれしい朝を望んでいる。
破綻に向かいつつ彼らはもがく。
希望は土にも山にも雲にもない。
人の心にしかない、と彼らは知っているだけに容易なことではないのだ。。

2001年11月 劇団八時半公演
100分
4人(男2・女2)

 

…テアトロ2002年2月号掲載 

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