鈴江俊郎 戯曲

私、うれしい

 

母は一人暮らしの部屋に座って、
昔抱いた恋心がよみがえってくる不思議に囚われている。
職場の御用組合に逆らって労働運動の再建を図ろうとした息子がいた。
息子は当局に煽動された職場ぐるみのいじめにあって自殺したのだ。
母は見舞いに来た課長の前で若返っていくようだ。
風船が舞う。風船は女性の華やいだ心そのもののように頼りなく独り暮らしの部屋を舞う。
思い出すのはお腹に命を宿した日の興奮だ。
「私、うれしい。私あの人の子供を生むの。」

1993年12月 NANYA SHIP公演

1996年名古屋ひとり芝居フェスティバル「金のシャチ賞」受賞
50分
1人(女1)


…八時半通信4号掲載

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