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鈴江俊郎 戯曲

わが子へ 自由を

 

憲法改悪に反対するメッセージを前面にうちだした一人芝居。


町はずれの林。初老の男がこっそりビデオレターを撮影している。
がんの宣告を受けて余命が短い。
まだ幼いわが子に、大人になったら見てもらいたいのだ。伝えたい。残したい。話したい。
わが子と言っても愛人の子。隠し子って世間は言うだろう。
だけど社長業だ、遺産は残すぞ。
でもそれじゃ足りない、愛とは人生とは、……最期に伝えたいことってなんだろう?
今あえて反戦の思いを。
それが無関心、世間に流されて育つかもしれないわが子にはうとまれるかもしれないと自覚はしているが、
無理でもいいから伝えたい。大切な価値が、いま危ういのだ。
憲法9条ってこんなにすてきなのに。
しかしこんなの伝わるのか?いや伝えたいのだ、いやだからと言っても迷惑じゃないのか?
……葛藤もあらわにしつつ語る2014年時点での政治状況の危うさ。
この子の母は遺産争いや隠し子騒動に巻き込まれたくないから、生きているうちに別れましょう、と言い出した。
せっかく語っているこのビデオ、十数年後にはちゃんとわが子に届くんだろうか?
――集団的自衛権を認容する法制化目前の状況下、男のからまわりするりきみは切ない。


2015年6月 ひとり芝居プロジェクト(黒川明ひとりしばい)にて上演。

60分/80分/120分

1人(男1)

 

【こちらの戯曲(120分バージョン)は「山脈7号」にも掲載されて発行されています。 こちら

 

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